自死は、悪いことだとよく言われます。
そのことによって自死遺族が浮かばれないということもあるようです。
実際は、どうなのでしょうか。
自死が悪いというのは、薬と毒の関係に似ています。
一つの薬品でも、使い方によっては薬にも毒にもなるということです。
つまり自死には二面性があるのです。
どういうことかというと、今これから自死をしようとしている当事者と接する場合には、自死は悪いことだ、自死は怖いことだ、と脅かして踏み止まらせるしかない場合もあります。
これは自殺をしようとしている当人にとっては薬となるものです。
しかし、実際に自殺を既遂してしまった場合、ご遺族の方にこの理屈が通るでしょうか。
もし、健康な人に薬を飲ませたら、それは毒になるのです。
本当のところは、自死であっても、極楽浄土へは行けるのです。
ただ、それを大っぴらに言ってしまうと自死をする人が増えてしまいます。
自死は、全ての縁を断ち切る悲しい行為ですから、出来るだけ止めなければなりません。
苦難を乗り越え、生きることの素晴らしさに目覚めなければなりません。
しかしその過程でもし挫折をしてしまい、残念ながら自死をしてしまっても、その魂が浮かばれないということはないのです。
これはここだけの、内緒のお話です。
仏教の教えではそのようになっております。